6-14.合同会社のメリットは? |
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合同会社のメリットを一言で言えば、従来の株式会社・有限会社のメリットである「有限責任」と、合名会社・合資会社のメリットである「会社運営の自由度が高く、組織もシンプルで設立費用も安い」というメリットを、両方備えているということです。
《1:会社の内部組織をシンプルにできる》
株式会社では、株主総会や取締役会、監査役(会)の設置が、法律で義務付けられています。このうち取締役会や監査役については、会社法の施行により、定款に「株式譲渡制限」の規定を定めることによって設置しないことも出来ますが、その場合でも、株主総会の招集手続きや運営方法、決議の要件などについて、法律で様々な規制が定められています。前節6-13.で解説したように、もともと株式会社は「所有と経営の分離」を前提とした会社組織なので、経営陣が暴走しないように、こういった法律の規制が多いのですね。
しかし、合同会社では、「所有と経営」が一致することから、会社の内部組織を、定款で自由に定めることができます。「自分の会社のことは、自分で決める」ことがしやすいのですね。そして、会社組織をシンプルにすれば、会社の意思決定のスピードは速くなりますし、また、運営コストも安く済みます。
なお、合同会社は1名でも設立することができます。株式会社も1名で設立することができますが、「一人会社」ならなおさら、組織はシンプルの方が良いですよね。この点でも、合同会社は使いやすい会社組織だと思います。
《2:リスクの高い新事業に挑戦しやすい》
合同会社では、社員が有限責任のため、リスクの高い新規事業にも挑戦しやすいという特徴があります。「有限責任」については、すで前節6-13.で説明済みですが、「シンプルで小回りの利く組織」というメリットと掛け合わせて、合同会社はベンチャー企業などでの利用が広がりつつあります。
《3:利益の配分を、出資額とは関係なく自由に定めることができる》
株式会社の場合、基本的には議決権や利益の配分は、保有している株式数によって決定されます。例えば、現在株式を100株発行している株式会社で、Aさんが60株、Bさんが30株、Cさんが10株を保有しているあれば、議決権の割合もAが60、Bが30、Cが10となりますし、利益の分配(配当)も同様の割合となります。この割合は、配当優先株式や議決権制限株式などにより、ある程度は変更することは出来ますが、それには様々な法律上・手続き上の制約があります。結局のところ、株式会社では「金を多く出したものが、一番偉い」のですね。
一方、合同会社では、出資した額に関らず、この割合を自由に定めることができます。例えば、Aさんが60万円、Bさんが30万円、Cさんが10万円出資した場合でも、利益分配の割合をAが50、Bが30、Cが20とすることも出来ますし、会社経営に関する重要事項の決定方法についても、定款で定める事が出来るのです。
また、「利益分配は少なくてもいいが、経営の実権は握りたい」Dさんと、「経営には興味はないが、利益分配はたくさん欲しい」というEさんが、共同で合同会社を立ち上げる場合には、例えばDさんを業務執行社員として、会社の経営を行わせる代わりに、利益分配はDが30、Eが70として、両者のニーズを満たすことも出来るわけですね。
ただし、利益の分配の「割合」については自由に定めることが出来ますが、その「財源」については、法律で一定の規制が設けられています。
《4:決算公告の義務がない》
合同会社には、株式会社とは異なり、決算公告の義務がありません。ただし、決算書の作成、および債権者からの閲覧、謄本の交付の請求があったときは、それに応じる義務が課されています。
《5:設立手続きが簡単で、費用も安い》
株式会社を新規に設立する場合には、登録免許税だけでも最低で15万円かかります。それに加えて、定款の認証費用(5万円)や、司法書士への登記報酬などが必要となります。
一方、合同会社を新規に設立する場合の登録免許税は6万円で、定款の認証は不要です。また、手続きが比較的簡単なため、司法書士に支払う報酬も一般に株式会社の設立よりは安く済みます。
《6:株式会社への組織変更が可能》
旧商法では、合名会社・合資会社が有限会社・株式会社に組織変更することは認められていませんでした。しかし、会社法の施行により、合名会社・合資会社・合同会社が株式会社に組織変更することが認められるようになりました。
したがって、事業の規模が小さいうちは、まず合同会社でスタートし、事業が一定規模に達してから、株式会社に移行するというのも、ひとつの選択肢になりえます。
なお、これらのメリットが理容室・美容室を経営する際に、どのように活用できるかについては、6-16,6-17で改めて説明していきます。
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