それでは、なぜ会社法では、この「類似商号規制」が大幅に緩和されたのでしょうか?
ひとつ目の理由は、従来の「類似商号規制」が、会社設立の手続きに時間と手間がかかる大きな理由となっていたからです。つまり、上記の例で、新たに「サロン・デ・ロッポウ」という会社を設立して、美容室を経営しようと考えた場合には、まずこの「サロン・デ・ロッポウ」という商号と同じ、または似たような社名を使用して美容室を経営している会社が、同じ金沢市内にすでに存在するかどうかを調査しなければならないことになります。この場合、『同じ』かどうかは見ればすぐに分かりますが、『類似』かどうかの判断は微妙です。例えば、同じ金沢市内で美容室を経営する会社として、すでに「ヘアサロン・ろっぽう」という名称のものがある場合はどうか、あるいは「Salon de Roppou」ではどうか、「六法美容院」ではどうか・・・キリがないのですね。
特に、いわゆる「ローマ字商号」が認められるようになってから、さらにその判断は困難となりました。「ABC美容室」と「ACB美容室」と「エイビー美容室」は、果たして「類似商号」となるのか・・・難しいところです。