メールマガジン 週刊「理容室・美容室の経営法務」 バックナンバー
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  週刊「理容室・美容室の経営法務」 第57号 2006年12月27日発行
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  <発行元:金沢みらい共同事務所 司法書士・行政書士 森欣史>
   毎週水曜日発行  関連サイト http://www.ribiyou6pou.com/
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 《お知らせ》
   来週1月3日(水)はメルマガ配信をお休みさせていただきます。
   次号(第58号)は、1月10日(水)に配信する予定です。
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★☆理美容室における個人情報の保護について(16)☆★

 みなさま、こんにちは! 司法書士・行政書士の森です。
今週も、どうかよろしくお願いいたします。
 さて、個人情報保護法に関するテーマも、だいたい書き終わったなと思って
いたところ、読者の皆様より質問を受けました。それは、いわゆる「のれん分
け」に伴って顧客名簿やカルテを移転させる場合には、個人情報保護法との関
係はどうなるのかということです。
 じつは、この話は私のサイトにやってくる閲覧者の検索キーワードでもしば
しば出てくるので、気にはしていました。実はすでにメルマガで解説済みなの
ですが、断片的に出てくるため、ここでまとめておこうと思います。

 いわゆる「のれん分け」のように、それまで自分のお店で働いていたスタッ
フが独立して別のお店を構える際に、そのスタッフが担当していたお客さんの
名簿を提供するような行為は、原則として「個人データの第三者提供」となり
ます。したがって、顧客名簿やカルテを提供する前に、該当するお客様に個別
に同意を得る必要があります。
 もっとも、お客様一人ひとりに事前に同意を取るというのは、人数が多い場
合には、結構大変な作業となりますね。
 そこで、次の方法があります。

○営業譲渡に伴う顧客名簿の移転

 いわゆる「のれん分け」とは少し異なりますが、それまで自分のお店で働い
ていたスタッフに対して「お店をまるごと営業譲渡」し、「それに伴って顧客
名簿もそのスタッフに移転する場合」には、個人データの第三者提供には当た
りません。
 したがって、このような場合には、営業譲渡を受けたスタッフは、引き続き
お店の顧客名簿やカルテを利用し続けることができます。ただし、その利用目
的は、営業譲渡前の個人情報の利用目的の範囲内に制限されます。
 ただ、スタッフがそれまでのお店とはまったく別に、新規にお店を立ち上げ
るような場合には、この方法は使えないことになります。そこで、次の方法が
考えられます。

○個人データの共同利用事項の公表

 個人情報情報保護法では、「個人情報を共同して利用する旨」や「共同利用
者の範囲」などの一定の事項を「あらかじめ、本人に通知し、又は本人が容易
に知り得る状態に置いている場合」には、個人データの第三者提供には当たら
ないとされています。したがって、お店のホームページなどでこの一定の事項
を公表しておけば、スタッフが新たに開業するお店でも、顧客名簿やカルテを
利用することができるようになります。
 なお、公表事項や公表方法の詳細については、すでに第51号で説明しまし
たので、そちらの記事を参照してください。

○オプトアウト

 これも第51号で説明しました。ただ、この場合には、顧客名簿やカルテを
提供する側のお店で、個人情報の利用目的として、「第三者への提供」を掲げ
る必要があります。
 これはつまり、「当美容室では、お客様からいただいた住所や氏名などの情
報を、第三者に提供する目的で利用させていただきます。」ということを堂々
と宣言することを意味します。当然、こんなことをしてしまったら、もとのお
店のほうで、お客様が住所や氏名を教えてくれなくなってしまい、営業に悪影
響が出てしまいそうですよね。
 したがって、現実的には、上記「個人データの共同利用事項の公表」の手段
をとるのが妥当だといえそうです。

 なお、本号で説明したケースは、あくまで独立するスタッフを送り出すお店
の側が、スタッフに顧客名簿やカルテを協力的に提供するような場合です。
 そもそも、送り出す側のお店のほうにそのような気持ちがないのに、独立す
るスタッフが勝手に顧客名簿やカルテをお店から持ち出してしまうような場合
には、そのスタッフは刑法上の窃盗罪や詐欺罪に問われる可能性がありますし
民法上の不法行為や不正競争防止法違反により、お店に対する損害賠償責任が
生じる可能性があります。
 一方、顧客名簿やカルテを持ち出されてしまったお店側にも、個人情報の管
理責任やお客様に対する民事責任が問われます。

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<ご注意>
 当メルマガの記事は、法律の専門家では無い方を対象に、なるべく解り易く
読んで頂けることを基本コンセプトにしております。したがって、内容の厳密
さという点では、多少いたらない点もございます。
 実際にこの記事に書かれているようなトラブルを抱えている方につきまして
は、当事務所もしくは他の法律専門家の方に、個別に相談されることをお勧め
いたします。

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<編集後記>
 今年最後のメルマガです。みなさまのお店も、かなり忙しくなっていること
と思います。

 今年はみなさまにとって、どのような1年でしたか? ちなみに私の方は、
司法書士研修や登録、司法書士としての開業、共同事務所のパートナー探し、
「金沢みらい共同事務所」の開設と、そのホームページの開設、会社設立業務
や各種の商業登記、不動産登記業務、会社法のテキストの共同執筆作業や、理
美容教育出版さんの「サロンパートナー」への個人情報保護法関連の記事の執
筆と、とても充実した1年だったと思います。もっとも、忙しさからメルマガ
の配信は、後半かなりサボってしまいましたが・・・

 ちなみに、今週は大きな不動産売買の仕事が終わったので、割とおちついて
業務を行っています。この時間を利用して、『理美容六法.com』に会社法の記
事をアップしていますので、よろしければごらんください。

 なお、来週1月3日(水)はメルマガ配信をお休みさせていただきます。
次号(第58号)は、1月10日(水)に配信する予定です。
 それでは、次号も、そして来年も、どうかよろしくお願いいたします。
みなさま、よいお年を (^o^)/

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 ○発行元:金沢みらい共同事務所 司法書士・行政書士 森欣史
 ○毎週水曜日発行 関連サイト http://www.ribiyou6pou.com/
 ○本誌に掲載した記事内容の無断転載・転用・転送は一切お断り致します。
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